お盆の由来
2500年前のインドのサンスクリット語でウランバーナ(逆さ吊りにされるような苦しみ)という言葉がお盆の元である。ウランバーナを三蔵法師が中国語に訳すときに盂蘭盆(うらぼん)になった。本来の盂蘭盆の行事というのは安居(あんご インドの雨季の期間。草木の成長が盛んで虫たちが多く生まれ盛んに活動していたので、移動時に踏んで殺してもいけないので、洞窟などにこもり勉強をする期間にした)という修行の期間がすんで出てきた修行僧にねぎらいの意味を込めてみんながご馳走をしておもてなしをした、というものである。
お釈迦様の弟子に木蓮尊者という方がいて、その方は神通力がきく方だった。彼が神通力で亡くなられたお母さんが今どうしているのか見ると、なぜか餓鬼道に落ちておられた。なんとか救いだそうと思いお釈迦様に相談すると、お釈迦様は「安居の最後の日(自恣の日)に亡き母への思いを込めて供養をしなさい」、「おみのりの気持ち、僧侶への敬いの気持ちを表しなさい」と言われた。木蓮尊者は母が餓鬼道に落ちたのは母のせいではなく、自分を育てんが為に行った行為や母ならではの気持ちの中で他のものを迫害したせいで、その罪のために餓鬼道に落ちたということに気づく。そして自分の行為をそれに照らし振り返った。そのおかげで母は餓鬼道から救われた。この事が「盂蘭盆経」というものに書かれてある。
しかし、現在までそれが純粋には伝わっていない。歴史が古いぶんだけの習慣、慣習がある。今あるお盆というのはそういった土地土地の習慣や、本来仏教と関係のないもの、神道的な考え方、日本本来の自然に対する敬いの心(山ノ神や海の神)や恐れの心というものとが合わさったものである。
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